力の源泉
人間は自由を求める。
人間は秩序を求める。
どちらも、おそらくは事実だろう。
それは状況によって左右されるにすぎない。
個人を越える何かしらの力というものは、別に地の底や天の果てから降ってくるものではない。
そのようなものが成り立つのは、望まれたことによる。
自らの及ばない現実に直面した結果として、人間はその時々の都合で希望を形成する。
えてして形のないものこそ、形のあるものからでてくるのだ。
委ねた時に失うものがあることは、あらかじめ確認しておいた方がよいだろう。
人間社会とは、最終的かつ現実的に、一人一人の具体的な誰かのことだ。
困難な時代の権力の動向は、平穏な時代のそれと特段変わらない論理で動いている。